仏事の手引き

よくあるご質問

仏壇について

浄土宗では金仏壇、唐木仏壇の指定はありませんが、購入される時は「浄土宗」と業者に伝えてください。浄土宗の本尊さまは阿弥陀如来です。そのお姿には座像(ざぞう/座っている姿)と立像(りゅうぞう/立っている姿)がありますが、座像は教えを説かれている姿、立像は極楽から私たちをお迎えに来ていただく姿なので、どちらでも結構です。最近は白木で作られた仏像が見られるようになりましたが、本来は金色です。阿弥陀仏の金色は、「誰にでも一つしかない生命」の尊さ、大切さを表しています。その尊さを常に確認できるのが仏壇なのです。仏壇はお寺の本堂の荘厳を小さくしたもの。安養寺の本堂と同じように阿弥陀如来を本尊さまとし、高祖善導大師(向かって右)、宗祖法然上人(向かって左)の掛け軸を本尊さまの左右に安置し、日々お参りをしていただきたいと思います。

浄土宗の数珠について

数珠(じゅず)あるいは念珠(ねんじゅ)といいます。基本の数は百八ですが、これは持つことにより人間には多くの煩悩があることを自覚し、心を清らかにして仏と対面するためにあるのです。

浄土宗では「二連の数珠」を用います。これはお念仏を称える時に、その称えた数を計算できるように作られています。お数珠は両手を合わせ(合掌)親指にかけ、手前に垂らします。

戒名について

戒名とは、お寺の弟子となり、いくつかの戒めを守って生活をしていくことを誓った人に授けられる名前です。

浄土宗では五重相伝会(ごじゅうそうでんえ)あるいは授戒会(じゅかいえ)といった儀式に参加していただき、浄土宗の教えや生活の指針を積み重ねるように教わり、戒名を授与されます。このような儀式は安養寺では二十年に一度開催されます。この縁を結ぶことができなかった方には、死後お通夜の時に儀式を行い授与いたします。

同じ仏教でも宗派によって戒名の形式が異なります。浄土宗の戒名の特色は次の通りです。                                                    

○誉△△居士(大姉)

が基本です。○誉を誉号(よごう)、△△を戒名といい、信仰やお寺に対する貢献によって院号や道号が付けられます。貢献は長い期間をかけて功徳を積んだ関係からうまれてきます。単なる金銭的なものとは考えられないものです。

焼香について

葬儀や法事では必ず参列者は焼香をします。「お焼香は何度すれば良いのでしょうか?」これが一番皆さんから聞かれる質問です。焼香とは仏さまに対して敬虔な気持ちを捧げるのがその意味ですから、心を込めて行ってください。浄土宗では一度、二度、三度とその意味が教えられていますが、ゆっくりと右手で香をつまみ、左手を添えて顔の前に持っていき、香炉に薫じ、合掌し真心を込めて一回焼香されれば、その心は通じます。

お布施について

この項目の中で皆さん一番悩まれるのがこの「お布施」でしょう。仏教では布施には「法施(ほうせ)・財施(ざいせ)・無畏施(むいせ)」の三つの意味が示されています。人が生きていくための正しい仏教の教えを伝え、精神的な面で安心を与える僧侶の行為や仏さまの導きを「法施」といいます。この「法施」に対して感謝の心をお金や財物で表すことを「財施」といいます。困っている人に慈悲の心で優しくしてあげ、恐怖や悩みのこころを癒してあげることを「無畏施」といいます。このようにお布施とは僧侶の労働に対する報酬ということではありませんので、いつも見守っていてくださる安養寺の本尊さまにお供えすると考えてください。皆さんはそれぞれの立場、経済状態、その心を考えてお供えされれば、阿弥陀さまもその心に応えてくださるでしょう。

お寺に関する場合は、袋の表に「御布施」と書かれればよろしいでしょう。葬儀にいかれる時は、黒、銀の熨斗袋に「御霊前」、法事に招かれた時は、黒、銀、黄色の熨斗袋に「御仏前」と書かれれば良いでしょう。

別れ

人間の一生を締めくくるのが葬送儀礼です。これには故人との別れと故人の永遠の世界への旅立ちの二つの意味があります。肉親や家族にとって一緒に生活し、思い出を重ねてきた父、母、兄弟、子が、突然ものを言わぬ人となり、永遠に別れなければならないという悲しみが襲ってきます。お釈迦さまは、人間の苦しみには生老病死(しょうろうびょうし)の四苦や八苦があると教えられました。その中でも特に、愛する人との別れ(愛別離苦(あいべつりく)が大変苦しく、辛いものであると説かれています。他人同士が一緒になり、家庭を築き、子供を育て、一緒に苦労してきた夫婦の一方が亡くなった場合や、お子さんが先に亡くなった時などは、かける言葉を失ってしまうほど深い悲しみとなります。

これほどの悲しみをもたらす死について、人間の知識や感情だけでは乗り切ることは出来ません。苦とは「思い通りにならない」ことであり、仏さまに救いを求める他に道はありません。その救いとは死後「良き世界」へ導いてくださることです。「死後どこに行くのか」これを正しく理解することは、亡くなる方、遺族の両方にとって「心の安らぎ」を与えてくれます。

葬儀式

葬儀・告別式は葬儀センター、安養寺、自宅ですることができます。最近はお寺での葬儀を望まれる
檀家の方が増えてきましたが、安養寺でもセンターで行う葬儀と同様の形式をとることができます。
葬儀社の会員特典を使うことができる場合もありますのでご相談ください。

葬儀の心得と段取り

亡くなると葬送儀礼を行います。現在は葬儀社が主導的となってきていますので、儀式だけでその意味を考えることが少なくなっています。ここでその意味と動きを考えてみましょう。病院で亡くなり、自宅へ運び、葬儀ホールあるいは寺院で葬儀を営むケースを想定します。

※近年長野では火葬を先に行う骨葬がメインでしたが、コロナ禍の中ではおときが行えないケースが多いことから火葬を後で行う棺前葬が多く行われていますので、6には両パターン表記いたしました。

亡くなった場合、お寺と葬儀社に連絡します。
遺体を自宅まで、葬儀社あるいはご自身の車で搬送します。
北枕に遺体を安置し(可能であれば)、枕団子を水で作ります。
枕経(まくらぎょう)

住職がお経を読み、遺族と葬儀の日程、方法を相談します。全てを決定してから住職に連絡しても、日程等都合がつかない場合があります。その上で葬儀社と細かい相談をしてください。

通夜式

当日、あるいは翌日に通夜を営みます。住職の弟子として阿弥陀さまにお預けするための「授戒作法(じゅかいさほう)」もここで行われ密葬の意味を含んでいます。最後の一夜ですので、思い出を語り合いながら、お過ごしください。なお、葬儀当日の役割についての確認も必要となります。弔辞を依頼する時は、葬儀での弔辞か、「おとき」での「お悔やみの言葉」かなど確認してください。

火葬
火葬が先の場合

出棺の一時間前に納棺、三十分前から出棺のお経を読み、午前中の火葬となります。収骨の後、お骨を祭壇に安置し午後から葬儀・告別式、おときとなります。

火葬が後の場合

午後の火葬がおよそ二時ごろとなりますので、正午ごろから葬儀・告別式となります。コロナ禍ではおときを省略し、近親者のみで火葬場へ向かうことが多いです。

葬儀式

葬儀式は故人が生活した家庭、仕事、人間関係などからの別れ、あるいは卒業といえます。多くの方に見守られて、永遠の世界である西方極楽世界へ旅立ちます。日本人は死後の世界に行くのには、長い山道を振り返り振り返り登っていくようにイメージしていますが、阿弥陀さまはお念仏を称え、救ってほしいと願うならば死に際してお迎えにきていただけます。このお迎えを来迎(らいこう)といいます。

初七日法要

葬儀のあと、当日あるいは翌日に安養寺本堂にて初七日法要をお勤めします。近年では葬儀後に引き続き初七日法要を営むことが多くなっていますが、安養寺では「お寺まいり」といい、改めて菩提寺の本尊さまの前で法要を行っています。お寺の本堂は極楽の世界を建物として表現したものです。荘厳な空間の中で極楽へ往生した故人を偲び、極楽の阿弥陀さまに故人の安楽を願う儀式となります。この時に「四十九日忌法要」の日程、方法を決められるとよろしいでしょう。その後、自宅に帰り遺骨、位牌等を「後飾り壇」に安置し満中陰四十九日の法要までご供養します。

場所によっては、自宅に近隣の方が集まり「七日念仏」を修するところもあります。

四十九日の法要までにすること

墓石を納骨できる状態にする

すでに墓石がある方は墓碑に戒名を刻んでください。お近くの墓石店・仏具店などに依頼できます。新たに墓石を建立される方は、お寺の本堂で遺骨をお預かりすることもできます。

黒塗りなどの位牌に戒名を刻む

仏具店に依頼します。安養寺では通夜もしくは葬儀の際に戒名の読み方・意味を記した紙をお渡ししていますので、そちらを仏具店に持参されれば間違いないと思います。仏壇のない方は購入をご検討ください。間に合わない方は位牌だけはご準備ください。

近隣の仏具・墓石店一覧

法事

法事とは、仏事全体のことを指しますが、現在では追善回向(ついぜんえこう)の意味合いが強くなっています。これは単なる行事ではなく、亡き祖先を偲び、今日ある自分を振り返って考えてみることに意味があります。
追善回向は直接に亡き人に対して「自分の力や資力でする」のではなく、施主が阿弥陀さまに供養し、その功徳を亡き人に振り向けることになります。参列する人は、その功徳を積まれるのを一緒に喜ぶという心でいてください。

法事の形態

亡くなってから、一般的には四十九日忌、新盆法要、一周忌、三回忌、七回忌等と法事は続きます。この法事によって親戚の縁が深まり、子供にも仏教などの縁に触れさせてあげることができる良い機会となります。

お寺でする場合

最近は全てをお寺で営む方が多くなりました。お寺へは、位牌、写真、お花をお持ちください。生花、おとき(食事)も注文できますのでご相談ください。おときを供しない法事を「あげどき」といいます。最近家族だけでお寺に来て、本堂で追善回向される方も増えています。

自宅でする場合

四十九日忌法要で自宅の近くに墓地があり、納骨する場合にはほとんどが自宅の法事になります。毎日ご供養しているお仏壇の前で法要することも、亡き人を偲ぶには大きな意味があります。昔のように、手作りの料理での法事もよろしいと思います。